小児科 病気から探す

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風邪

風邪の原因のほとんどはウイルス感染で、原因ウイルスの数は200種類以上とされています。原因となる主なウイルスには、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルス、 RS ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、インフルエンザウイルスなどがあります。ウイルスの種類によっては鼻やのどの呼吸器症状だけに限らず結膜炎や嘔吐、下痢、皮疹を引き起こすものもあります。ウイルス感染では、細菌を対象とした抗生物質は効果がなく、いわゆる特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法となります。副鼻腔炎、中耳炎、気管支炎、肺炎など細菌感染による合併症が疑われる場合には、抗生物質を使用します。

突発性発疹

生後4か月~1歳くらいで、ほどんどの子どもがかかるとされている頻度の高い感染症です。ヒトヘルペスウイルス6型(7型)への感染が原因です。38℃以上の発熱が3〜4日続き、解熱後に全身(顔や腕、脚など)に発疹がみられます。発疹は2~10㎜程度の小さなプツプツとした紅斑で、3~4日ほどで徐々に消失します。かゆみや痛みなどは伴いません。症状を和らげる対症療法が主な治療法となります。

溶連菌感染症

溶連菌(溶血性連鎖球菌)と呼ばれる細菌に感染することが原因です。発熱やのどの痛みといった症状がみられます。3歳未満では熱があがらない事もあります。嘔吐したり、体や手足に赤く小さい発疹が出たり、苺のつぶつぶの様な舌(イチゴ舌)がみられたりすることがあります。治療は5~10日間、抗生剤を内服します。 お薬を飲み始めると、熱は2〜3日で下がり、咽頭痛もやわらいできます。しかし、一見症状が治まったように見えても、溶連菌はしつこく身体の中に潜んでいるため、再発したり、リウマチ熱や腎炎などの重大な合併症を引き起こさないために、抗生剤は処方された日数分を全て内服して下さい。

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症とは、鼻汁や咳、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴が特徴的な感染症です。生後2歳までにほぼ100%の人がかかると言われています。年長児や大人では軽い風邪症状でおさまることが多いですが、乳幼児や赤ちゃんがかかると症状が強くなることがあります。RSウイルスには残念ながら特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法になります。

手足口病

手足口病は手のひら、足の裏、口の中に発疹ができることが特徴の病気です。コクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71など様々なウイルスへの感染が原因です。熱はでないことが多く、でても2~3日で下がることが多いです。手足口病には残念ながら特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法になります。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは夏に流行しやすい、高熱とのどの痛みを主症状とする感染症です。主にエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスなどのウイルス感染が原因です。38℃以上の高熱が3~5日続き、のどの奥に口内炎ができます。ヘルパンギーナには残念ながら特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法になります。

アデノウィルス感染症

アデノウイルス感染症はいわゆる「かぜ」の一種で、アデノウイルスというウイルスに感染することで発症します。発熱、のどの痛み、咳、下痢、嘔吐、目やに、目の充血、出血性膀胱炎等の症状がみられます。目にも感染しやすく、結膜炎(目の充血、めやに)を伴う場合は、プール熱(咽頭結膜熱)と呼ばれます。アデノウイルス感染症には残念ながら特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法になります。

伝染性膿痂疹(とびひ)

とびひとは、正式には「伝染性膿痂疹」といい、肌の表面にかゆみを伴う水ぶくれや厚いかさぶたができる感染力の強い病気です。湿疹、あせもや虫刺されなどを掻きこわしたり、乾燥肌やアトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下した部位に、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などの細菌が感染することで発症します。そこから“飛び火”するかのように周辺や離れた部位に症状が広がります。周りの人にも伝染する可能性があります。抗生剤の内服や外用薬による治療が有効ですが、患部を清潔に保つことが大切です。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

おたふくかぜは、正式には「流行性耳下腺炎」という病気で、ムンプスウイルスというウイルスに感染することで発症します。片側または両側の耳下腺の腫れ、発熱が主な症状です。腫れのピークは通常48時間以内、発熱は数日続きます。また、腫れは耳下腺だけでなく、顎下線や舌下腺と呼ばれる部位でも起こることがあります。病気全体は1~2週間でよくなります。おたふくかぜには残念ながら特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法になります。

伝染性紅斑(リンゴ病)

リンゴ病は正式には「伝染性紅斑」という病気で、パルボウイルスB19に感染することで発症します。頬がりんごのように赤くなるので、「リンゴ病」と呼ばれています。幼児期から学童期に多くみられます。発熱、咳、鼻汁、筋肉痛などのかぜ症状から始まります(この症状は軽いことが多く、無症状のこともあります)。その後、1週間程度経過して頬が赤くなり、続いて手や足にレースのような網目状の発疹が出てきます。頬の紅斑は少し盛り上がり、ほてった感じでかゆみを伴う場合もあります。大体1週間くらい紅斑は続いて、自然に治っていきます。頬が赤くなった時には感染力はほとんどなくなっています。リンゴ病には残念ながら特効薬のようなものはありません。症状を和らげる対症療法が主な治療法になります。

水痘(水ぼうそう)

水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルスと呼ばれるウイルス感染により発症し、胸、お腹、顔、頭皮、腕や足など全身に発疹ができ、強いかゆみを感じたり、発熱したりする特徴のある病気です。始めはポツポツとした発疹のみですが、やがて水ぶくれになります。発疹が出始めてからかさぶたとなるまでには1週間程度かかります。水痘に対する抗ウイルス薬を内服します。かゆみが強い時は、かゆみ止めのぬり薬や飲み薬も使います。

気管支喘息

咳、痰、喘鳴や息苦しさといった症状が見られる病気です。特に夜間~早朝にかけて、季節の変わり目など気温差が激しい時に症状が出やすくなります。喘息発作(症状)を起こす原因になるものには、空気の乾燥、風邪、煙草の煙、激しい運動、アレルゲン(ダニ、ハウスダスト、ペットの毛、花粉、カビ)などがあります。アトピー性皮膚炎や食物アレルギーがあったり、家族に喘息の人がいたりする場合には、喘息になりやすいと言われています。気管支が繰り返し炎症を起こしていくと、気道が狭くなるため、放っておくと症状がひどくなっていきます。炎症を悪化させないために喘息の発作をはやめに抑える・起こりにくくする・起こさない状態をしっかりと保ち続けることが大切です。発作を抑えるため、気管支を広げて気道を確保する気管支拡張薬を使用したり、発作を起こりにくくするために、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬を使用して(気管支拡張薬と吸入ステロイド薬を併用することもあります)治療していきます。

じんましん

じんましんは、皮膚の一部が赤くくっきりと盛り上がり、かゆみを伴います。アレルギーだけでなく、温度差やストレス、感染症、汗をかくことなどがきっかけでも起こることがあり、原因がはっきりとしない場合がよくあります。じんましんの多くは時間とともに自然と治まることが多いですが、症状が続いていたり繰り返す場合には、抗ヒスタミン剤を使用して治療します。特定の要因がみられる場合には、アレルギーの可能性があるため原因となる物質に触れない環境づくりが大切です。ただし、必要以上に食物や生活を制限するのではなく、お子さまができるだけストレスなく過ごせるように、バランスを取りながら対策をしましょう。

臍ヘルニア(でべそ)

臍ヘルニア(でべそ)は、お腹の内側から腸が外に飛び出した状態を言います。赤ちゃんの時には起こりやすい症状です。臍ヘルニアは放置しても1歳までに70%、2歳までに90%が自然に治るため、以前は経過観察されていました。近年になって、飛び出たお臍を圧迫する「臍ヘルニア圧迫療法」を行うことが増えました。この方法は、お臍を綿球などで上から抑え、テープで圧迫しよう、というものです。圧迫療法はヘルニアが小さいほど早く治る傾向があり、また治療開始時期も大切で生後早いほど効果は高いと言われています。経過観察または圧迫療法で治らなかった場合や美容上の問題があった場合は、1~2歳頃に手術を行います。